劇団四季「ゴースト&レディ」東京公演千秋楽 ライブ配信の感想(ネタバレなし)

2024年11月11日、劇団四季の新しいオリジナルミュージカルの「ゴースト&レディ」の東京公演が千秋楽を迎えました。

残念ながら、劇場に足を運んで観に行くことは叶わなかったのですが(ものすごく行きたかったけど)、劇団四季さんが前楽と千秋楽をライブ配信してくれることになりました。

しかも、千秋楽は平日!

子供を保育園に預けて、仕事を調整すれば、観ることができるし、仕事の調整が難しければ、アーカイブもあるので、あとで観ることもできます。

なんて親切!

ということで、千秋楽公演の配信を観ることにしました。

その感想を書いていきます。

ネタバレのないように書こうとは思います。

全体の感想

大変素晴らしかったです。

原作の漫画もちらりと読んだことがあったのですが、原作とはストーリーのおおまかな展開は一緒なものの、より、グレイとフローの関係性をはっきりと見えるようにしてくれて、完全に私好みの脚本になっていました。

もう、最高です。

ネタバレはしたくないのですが、原作の藤田和日郎さんの漫画は、男女関係については少女漫画のようにはっきりとしないところがあるのですが、そこをもう少しくっきり見せて、二人の絆がものすごくきれいにわかりやすく表現されていました。

そして、素晴らしかったのは演出もです。

舞台装置からちょっと超常現象的なものまで、違和感のないように、それでいて迫力あり、そして、大事な場面は感動するほど美しく表現されていました。

ラストとか、ものすごくいろんな解釈ができて、涙が出てきてしまうくらい綺麗でした。

とにかく、「ああ。もう一度みたい!!」と思わせてくれる作品でした。

グレイ(萩原 隆匡)

千秋楽は萩原さんが演じていました。

萩原さんは、もう15年以上舞台で観ていますが、ダンスもめちゃくちゃうまいのに、こんなに歌がうまくてすごいなといつも感心させられます。

でも今回一番すごいと感じたのは、演技力でした。

グレイという役柄は、結構表現が難しい役だと思うのですが、見事に演じていました。

漫画の中のグレイの雰囲気をちゃんと演じていました。それがすごい。

それでいて、萩原さんのかっこよさも見え隠れして、ものすごく魅力的なグレイになっていました。

グレイって、漫画では全然かっこいいという感じはなくて、どちらかというとやる気がないというか、ふにゃらけてておちゃらけててつかみどころがないのですが、剣をふるうときはすごく強くてかっこよくなるんですよね。

それがものすごく上手に表現されていました。

とにかく、すごいと思いました。

フロー(谷原 志音

フローは谷原志音ちゃんでした。

しおんちゃんも劇団四季デビューの頃から観ていたので、もともとの歌のうまさは知っていましたが、本当に歌はすっごく綺麗でした。

そして、しおんちゃんは、ちょっと強い女性を演じるのが本当に上手だし、見た目も綺麗なので、見ていて目の保養でした。

でも、このフローという役は結構難しいのに、それも綺麗に演じているなと感じました。

フローは最初はものすごく弱そうに見えて、でもゴーストに殺してくれというくらい強い意志も持っていて、強さと弱そうな感じをどちらも持ち合わせているような不思議な女性なのですが、グレイとの約束、、、というか、グレイの存在のおかげでブワーって強さを出してくる感じをうまく表現していて、鳥肌が立ちました。

とにかく歌が綺麗なのに、フローの意思の強さも相まって、もう目が話せない存在でした。

これもすごく感動でした。

とくに後半のある場面では、もう、鬼気迫る演技で、映像越しなのに、涙が止まりませんでした。

素晴らしい役者さんだと思いました。

デオン・ド・ボーモン(岡村 美南)

岡村さんが演じていました。

岡村さんもかなり以前から観ている役者さんですが、この役ははまり役かもしれません。

ものすっごく所作が綺麗でかっこよかったです。

元が騎士ということもあって、姿勢も綺麗だし、一つ一つの動きがかっこいいです。

ですが、何か恐ろしい雰囲気もまとっており、ジョン・ホールに取り付く感じが恐ろしかったです。

さすがという感じがしました。

ジョン・ホール (野中 万寿夫)

この舞台の中では完全な悪役として登場する人物を、野中さんが演じています。

野中さんも長年観てきていますが、最近は悪役も多くやっているからか、めっちゃ悪い顔していました…。

本当にこんな顔の人だったっけ?と思うくらい、悪人顔でした。

役柄的にはものすごくあっていましたが、あまりに悪い顔しているので、心の底から、嫌な奴!!と思える感じになっていました。

これもさすがのベテランの演技力だなーと思いました。

夢から覚めた夢のヤクザをやっていた人とは思えない変貌ぶりに背筋が凍る思いでした。

さすがでございました。

アレックス・モートン  寺元 健一郎)

原作に出てこないキャラクターです。

寺元さんは、ノートルダムのカジモドで観たことがあるのですが、非常に歌が上手でよく覚えています。

この役は、原作にないのですが、フローの婚約者として登場します。

アレックスがいたことで、ちょっとふんわりしていた、グレイとフローの関係が、すっきり見えやすくなった感じがします。

重要なポジションだなと思います。

出番がそこまで多くないので、歌もそこまで多くなくて、ちょっともったいないなとは思いますが、いい味をだしていました。

エイミー (町島 智子)

こちらも原作には出てこないキャラクターです。

町島さんは、アナと雪の女王のアナ役で観たことがありました。

とても明るくて可愛らしい声の方です。

エイミーという役は、フローのそばにいるからこそ感じる一般の人の心を代弁したり、フローの心の強さを浮き立たせるのに一役買っている役だと思いました。

物語後半で、フローが来るしむ原因の一つになってしまうのですが、それもフローの立場であれば起きるであろう現実を観客に見せるためには必要な展開だったのではないかと思い、こちらも重要な役割をもっていると思いました。

町島さんのエイミーは基本的には、可愛らしい貴族のお嬢様という感じで、こんな大変なところに来てしまって心折れそうになるところをうまく表現してらっしゃいました。

私でもそうなるだろうなぁと自分と重ねやすかったです。

個人的には漫画より好みの内容でした

これは完全に私の個人的感想ですが、漫画より、フローとグレイの関係がすごく綺麗に見れて、非常に好みの内容でした。

終わり方もすごく切なく綺麗だったし、カーテンコールを含めると、幸せな気持ちになれる作品でした。

今回、役者さんがすごくよかったです。

いや、他の役者さんでもすごくいいのだと思いますが、観たいと思っていた配役だったので、すごく嬉しかったです。

特に主役二人。

二人が歌う場面も演出がすごく綺麗で、何度でも観たくなります。(アーカイブが楽しみです。)

とにかく、5500円と安価でこんな素晴らしいものを見せてもらえて、感動しました。

劇団四季さん、役者の皆さん、スタッフの皆さんにはお礼の気持ちしかありません。

次は名古屋、そのあと大阪に行くようですが、私が観に行くことは難しいと思いますけれど、行けるようなら行きたいなと思いました。

独身だったら、通っている作品だったなと思います。

本当に素晴らしい作品でした。

今日も最後まで読んでくださってありがとうございました。

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